ごあいさつ

里山を元気にする秘策とは?
会長 井田秀行

本州で絶滅したと思われていたチョウ「オオルリシジミ」が飯山市内で発見されたのを機に、2011年5月、晴れて『北信濃の里山を保全活用する会』設立の運びとなりました。
本会が目指すのは、「人と動植物のにぎわい」を復活させ,里山を元気にすることです。
そして、かつての里山がそうであったように、しかるべき自然は残す一方で、活用できる自然はその再生力を奪わない程度に充分に活用する。これが本会のスタンスです。
この難題に継続して取り組むためにも、活動方針として私は次の3点を掲げたいと思います。

  1. シンプルであること
    初心者や子どもたちが気軽に参加できるわかりやすい活動とする。
  2. やりがいがあること
    取り組みの成果や効果を誰もが短期間で実感でき、充実感や達成感を味わえる活動とする。
  3. ごほうびがあること
    思わず笑みがこぼれるごほうびがもらえる活動とする(大人だってアメ玉一つでも嬉しいもの。もちろん、北信濃を訪れた人に「いいところだね」とほめられても嬉しいですね)。

里山を元気にするには、まず、その一員である私たちが元気を出さなければなりません。
そのためには「北信濃の里山を熱く語れる人を毎年増やす」こと。
これが会としての当面の目標です。

今後とも皆様の一層のご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

オオルリシジミ 絶滅の恐れのある蝶

pic05-2
オオルリシジミは、信州の草原・田園を代表する蝶で、かつては多くの地域で豊産していました。
ところが、人の生活様式の変化による草原環境の消失、食草・クララの減少や、農薬の過剰散布、乱獲採集などが原因し、長野県を含め本州では、1990年代に絶滅に近い状態になってしまいました。主要な生息地であった東御市、安曇野市では、飼育系統からの野生復活の取り組みと保護活動が行われています。
そんな中、2004年、飯山で奇跡的に本種の生息が発見され、有志で保護活動を行ってきました。
昨年からは、採集者の影響が懸念されたこともあり、保護活動組織として「北信濃の里山を保全活用する会」を設立し、当地の生息を公表して、地域に根ざした活動を展開中です。

オオルリシジミの分布、衰亡の経過と保護に向けて

  • かつては東北(青森・岩手)、本州中部(長野・新潟・群馬)、九州(大分・ 熊本)の3地域に分布。
  • 1960年代から各地で生息地の減少、1970年代までには東北各県、群馬県、 大分県で絶滅。
  • 1980年代、長野県などの主要生息地で激減。
  • 1990年代には、本州でほぼ野生絶滅? 九州阿蘇山系で減少しながらも 生息(地元で保護活動を実施)。
  • 2000年代には東御市、安曇野市で地元の飼育系統から野生復活の取り組 み開始。
  • 2004年に飯山市内で野生個体群の生息地を発見、保護活動を展開中。
  • 環境省レッドデータでは絶滅危惧Ⅰ類に分類、長野県希少野生動植物保護 条例指定種(無許可での採集禁止)。

飯山市でのオオルリシジミ保護活動「北信濃オオルリシジミ保護回復事業(平成23年長野県認定)」の概要

  • 飯山個体群維持と増殖:飼育による系統維持、増殖による生息域の拡大
  • 生息環境の整備:食草のクララの繁殖、植栽灌木除去と草原の維持
  • 違法採集者に対しての対応:パトロールの実施、立て看板、監視カメラの  設置等
  • 調査研究の実施:発生量のモニタリング観察、形態や生態、天敵類の調査 など